【連載1章ー2】なりきり法 最強(前編)

【連載1章ー2】なりきり法 最強(前編)

【1章ー1】魔法の言葉を覚えた小学生(前編)
【1章ー1】魔法の言葉を覚えた小学生(後編)

中学に入った僕は、どんな場面でも「なりきり」を使いこなせるようになっていた。勉強、野球、いろんな場面でそれは威力を発揮した。

中2まで学年で一番足が速かったのだが、その時の呪文はこうだ。
「でんこうせっか!」
そう。ゲーム「ポケットモンスター」に出てくる技だ。スポーツ万能だと思っているクラスメイトが「ポケモンのキャラクターになりきっているだけ」だなんて、同級生の大部分は思いもしなかっただろう。仲が良くて、僕がいつもそうやって何かになりきっていることを知っている友達は面白がってくれていたけど、それでも「だから足が速いのだ」とは本気で信じてはいなかったように思う。

そのうち、なりきる対象として、芸能人だけでなく歴史上の人物も登場するようになる。小学二年のときに、図書館にある「まんが 日本の歴史」シリーズは読破していたから詳しかったというのもあるが、何かと「歴史」に触れる機会があったから身近に感じていた、というのもあったのだろう。

祖父の祖母が徳川家康の家臣であり「井伊の赤備え」で有名な井伊家筆頭家老木俣家の出身で、その木俣家の屋敷は彦根城内にあった。という理由で、祖父母の彦根の家に遊びに行くと、よく彦根城に連れていってもらった。そのうち大晦日には一人で彦根城に行き、一年の振り返りと来年の目標を決める。というのが僕の恒例行事となった。目標と言っても、「野球の試合勝てますように」「好きなことうまくいきますように」といった、願いごとに近いものだったが。

ちなみに、初めて読破した歴史小説は、小学校6年の時大河ドラマでやっていた「利家とまつ」だ。「ハリーポッターと賢者の石」を読み切り、長編読書に自信がついた僕は、毎週楽しみに観ていたドラマの原作に興味を持ったのだ。見事、前田利家にドはまりした僕は、野球のチームメイトがイチローになりたいと猛練習する中、僕は前田利家になりたいんだ!と言うようになる。まわりは「はいはい」と聞き流していたけど、今こうして「サムライ特化企業」を立ち上げているのだから、子どもの頃の夢というのはバカにできないもんだ。

その後も親におねだりしては「図解 前田利家」みたいな写真やイラスト、図表たっぷりの本をよく読むようになる。長編読書に自信がついたんじゃなかったのかよ!とツッコミたくなるが、まあ、そんなもんだ。写真やイラストがたくさんある方が、読んでて楽しいからね。


続く(この連載は毎週月・木曜に更新します。)

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本連載は「なんでサムライなの?バンドやってたって本当?は!?歴史?っていうか東大?株式会社??わけわかんない・・・・」という疑問にお答えするべく、紫式部さんにインタビュー・執筆して頂きました。

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RYO!

プロフィール
株式会社DO THE SAMURAI 総大将(代表取締役) / プロのサムライ
東京大学文学部。
在学中より「サムライを切り口に、日本の文化や歴史に’楽しく’触れるきっかけをつくる」という志のもと、毎週、世田谷松陰神社の歴史資料館で塾を開講、史跡ツアー・歴史イベントを主催。
そして、2016年4月に法人化。仲間とともに新たなスタートを切る。
株式会社DO THE SAMURAIでは、
「’日本から世界へ”国内の地域から地域へ、
日本人一人ひとりが文化や歴史を発信できる’外交官’に」というビジョンのもと、
地域の歴史ブランディングなど新たな事業に取り組んでいる。
講演依頼、問い合わせなどはryo@dothesamurai.comまで。
Twitter:https://twitter.com/RYO_ReaL
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株式会社DO THE SAMURAI:http://dothesamurai.com
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