【連載1章ー2】なりきり法 最強(後編)

【連載1章ー2】なりきり法 最強(後編)

【1章ー1】魔法の言葉を覚えた小学生(前編)
【1章ー1】魔法の言葉を覚えた小学生(後編)
【1章ー2】なりきり法 最強(前編)

話しを戻そう。歴史の本をたくさん読んで、歴史は面白いな。偉人ってすごいな。と思っていた僕が、それらの人物になりきろうと思ったのは当然の流れだった。

古文を読む時は「紫式部モード」(源氏物語はすごいらしいから)
小テストの勉強は「坂本龍馬なら30分で終わらせる」(何事も早そうなイメージ)
「豊臣秀吉なら数学は得意だ!」(太閤検地とかやってるから計算得意そう)

歴史好きなわりにはなりきる理由が浅い気もするが、とにもかくにも終始こんな感じで、中学生独特のノリもあり楽しくやっていた。ちなみに、野球のピッチングは上原投手からクルーン投手に変わっていた。まわりからも「美濃のクルーン」と呼ばれていたこともあって、マウンド上の僕はスター選手ばりに輝いていたと思う。とにかく万事その調子だった。それですべてうまくいっていた。

……ならよかったのだが、そういうわけでもなかった。

なりきることが得意だということは、思い込みが激しいということでもある。そして何かにのめり込む力も強いということだ。

ある日、僕は部活中に倒れてしまう。当時、夢中になっていたのがセカチューこと「世界の中心で愛を叫ぶ」という小説(映画、ドラマにもなり大ヒットした)だった。読んだことのない人のために一言で説明すると、彼女が白血病になってしまう高校生の話で、二人で病院を抜け出し海外へ行こうとする空港でのワンシーンがとても有名な物語だ。

倒れた僕は、もうろうとした意識の中で、「ああ、僕は白血病なんだ。不治の病なんだ。死ぬんだ」と考えていた。
「まだ中3だ。僕の人生、これで終わっていいんだろうか。いやまだだ。まだなんだ。もし助かったら、悔いなく生きよう」

その後、運ばれた保健室で水を飲み回復。ただの脱水症状だったのだ。よかったよかった。白いベッドに横になりながら、小説の登場人物に感情移入しすぎてしまうのも少し問題アリだなと反省した。と言いつつも、感化されやすい性格は今も変わっていないのだが。

何はともあれ、この時強く感じた「悔いなく生きよう」という気持ちが、その後の僕の人生の指針となっていく。自分がやりたいことに真っすぐに突き進むことこそが大切なのだ。思いは行動にしてこそ意味があるし、それこそが後悔しない秘訣なのだと。


続く(この連載は毎週月・木曜に更新します。)

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本連載は「なんでサムライなの?バンドやってたって本当?は!?歴史?っていうか東大?株式会社??わけわかんない・・・・」という疑問にお答えするべく、紫式部さんにインタビュー・執筆して頂きました。

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矢文(メール)はryo@dothesamurai.comまでご連絡下さいませ。
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RYO!

プロフィール
株式会社DO THE SAMURAI 総大将(代表取締役) / プロのサムライ
東京大学文学部。
在学中より「サムライを切り口に、日本の文化や歴史に’楽しく’触れるきっかけをつくる」という志のもと、毎週、世田谷松陰神社の歴史資料館で塾を開講、史跡ツアー・歴史イベントを主催。
そして、2016年4月に法人化。仲間とともに新たなスタートを切る。
株式会社DO THE SAMURAIでは、
「’日本から世界へ”国内の地域から地域へ、
日本人一人ひとりが文化や歴史を発信できる’外交官’に」というビジョンのもと、
地域の歴史ブランディングなど新たな事業に取り組んでいる。
講演依頼、問い合わせなどはryo@dothesamurai.comまで。
Twitter:https://twitter.com/RYO_ReaL
Facebook:https://www.facebook.com/ryo.real.7
株式会社DO THE SAMURAI:http://dothesamurai.com
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