【連載1章ー3】音楽最高!人生はROCKだ!(前編)

【連載1章ー3】音楽最高!人生はROCKだ!(前編)

【1章ー1】魔法の言葉を覚えた小学生(前編)
【1章ー1】魔法の言葉を覚えた小学生(後編)
【1章ー2】なりきり法 最強(前編)
【1章ー2】なりきり法 最強(後編)

母親の影響でSMAPが大好きになり五歳でファンクラブ会員となったことはすでに話した通り。幼稚園の担任の先生も大のSMAP好きで、よく給食の時間などに曲をかけてくれていたから、物心がついたころにはいつもSMAPの曲を口ずさんでいた……というより大声で歌っていた。

幼稚園では毎月お誕生会が開催されていて、お遊戯室にみんなが集まりその月に誕生日を迎えるお友達をお祝いしていた。

六歳のお誕生会。僕もSMAPが大好きなのを知っていた先生は、僕のために『SHAKE』をかけてくれた。お遊戯室の小さなステージの上で、体操を習っていた僕は側転しながら歌って踊った。みんなの笑顔と歓声と手拍子に包まれて、すっかり気持ちよく「その日の主役」になっていた僕は人前で歌うことが大好きになっていた。

一九九七年、七歳のとき、ナゴヤドームができたことにより、遠出しなくてもSMAPのコンサートに行けるようになった。僕以上に喜んでいたであろう母親はすぐにチケットを取ってくれて、親子でワクワクしながらナゴヤドームへと向かった。僕たちの席はドームの中でも後ろの方、メンバーが豆粒くらいにしか見えない、いわゆる「マメップ」席だったが、大音響と華やかな照明、最高の演出、ファンの熱気の中、憧れのメンバーが歌い踊る天国のような空間に僕は大興奮だった。

コンサートが終わったとき、テンションMAXの僕が口にした言葉がこれだ。

「僕、将来歌う人になりたい!」

早速ジャニーズ事務所に応募だ!とはならなかった。七歳なりに「僕違うな。イケメンじゃないな」と思っていたから、その道は速攻で消えた。ジャニーズじゃなくて歌手。シンガーになるんだ!
(小三で四十五キロくらいあったデブ少年は、小五で成長期を迎え、体重そのままに身長だけが伸び、スリムになるのだが)

それからというもの、CDショップに連れていってもらっては、安室ちゃんのアルバム発売日はいつで、SPEEDのシングルの発売日はいつだ!という風にどのアーティストのCDが何月何日に出るのかをチェックしていた。友達は僕のことを「歩くオリコン大辞典」と呼ぶようになる。それくらい、詳しかった。

ちなみに、僕の初恋は安室奈美恵さんだ。次に好きになったのがSPEED、知念里奈さん、沖縄の歌手に夢中になっていた。その後、モーニング娘。にどハマり。まだ声変わりをする前だったから女性の曲の方が歌いやすかった。

四年生のクラス会でも『ミニモニ。ジャンケンぴょん!』を女の子たちと歌って踊ったりしていたのだが、小六になると声変わりが始まった。そうなると、平井堅やケミストリー、初期のEXILEを真似して歌うようになる。今もアイドルは大好きだけど、すっかり応援する側だ。サイリウムを握りしめて。

小学生のお小遣いではCDを自由に買ったりレンタルすることはできないから、テレビの音楽番組は全部かかさず観ていた。さらに、土曜日に放送されていた「JP TOP20」というラジオをチェック。この番組ではその週の最新曲も聴けたから絶対に外せなくて、毎週録音していた。
繰り返し聴いて覚えては、学校で歌ったり、授業中に覚えている歌詞をひたすら書いたりしていた。そんな感じで、学校の登下校中に歌う、休み時間に歌う、部活中グラウンド整備をしながら歌う。とにかく毎日好きな歌を好きなだけ歌う、そんな小学生だった。

初めてギターを手にしたのは中一の二月。本格的に音楽を始めようと思ってとか、誰かに憧れて、とかではなく、バレンタインデーに好きな子からチョコを貰えなかったショックで「僕は恋愛とかじゃなくて、ミュージシャンでいくんだ!」と思い立ったのが理由だった。(その子とは年末まで付き合っていたのだが、あんまり遊んでくれないのが不満で僕から別れた。なのに、チョコをもらえると能天気に考えていたのだ。今考えると当たり前なのだが……)

夜八時にジャスコに連れてけ!と家で大騒ぎして、お年玉をはたいてアコースティックギターを買った。早速インターネットで藤井フミヤの『TRUE LOVE』の譜面を見つけて練習。僕が初めてギターで弾けるようになった曲だ。その後も独学でギターを弾いてはいたけど、あまり上達しなかった。

中学生になっても相変わらず歌うことが大好きで、いつでもどこでも歌っていた。クラスメイトにM君という友達がいたのだが、そのM君、すぐにお腹が痛くなるのだ。ヤバいな。と思うと僕をトイレに誘い、「亮君、歌っといて」と言って個室へと消えて行く。僕はM君がトイレから出てくるまでずっと歌っていた。ようするに音を気にして「音姫」代わりに僕を使っていたのだ。僕はそんなことお構いなしに、ただ気持ちよく全力で歌っていた。僕はギターより歌の方が上手いなあと思いながら


続く(この連載は毎週月・木曜に更新します。)

《出版社募集!》
本連載は「なんでサムライなの?バンドやってたって本当?は!?歴史?っていうか東大?株式会社??わけわかんない・・・・」という疑問にお答えするべく、紫式部さんにインタビュー・執筆して頂きました。

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矢文(メール)はryo@dothesamurai.comまでご連絡下さいませ。
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RYO!

プロフィール
株式会社DO THE SAMURAI 総大将(代表取締役) / プロのサムライ
東京大学文学部。
在学中より「サムライを切り口に、日本の文化や歴史に’楽しく’触れるきっかけをつくる」という志のもと、毎週、世田谷松陰神社の歴史資料館で塾を開講、史跡ツアー・歴史イベントを主催。
そして、2016年4月に法人化。仲間とともに新たなスタートを切る。
株式会社DO THE SAMURAIでは、
「’日本から世界へ”国内の地域から地域へ、
日本人一人ひとりが文化や歴史を発信できる’外交官’に」というビジョンのもと、
地域の歴史ブランディングなど新たな事業に取り組んでいる。
講演依頼、問い合わせなどはryo@dothesamurai.comまで。
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株式会社DO THE SAMURAI:http://dothesamurai.com
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